高速バスの詩

 

 

胸に差し迫る感情がある。それを言語化できずに持て余して、端末とただ触れ合うだけで時間は消えていく。脳みそは溶け切っている、高速バスに乗るだけで胸がいっぱいになるような安直さ。恋愛や酒といった一時的で強烈なインパクトを与えてくれるものに、簡単に飲まれ、そのくせ、消費する時間とお金に対する線引きはものすごく厳しい。得られるものなんて、自分から求めに行くものなんて、いつだって刹那的で後から何も残らないのに。懲りないバカだ。ドキドキするものが好き。男女の友情は成立しない派、そんなのとっくにわかっているくせに、男の子と飲みに行くのをやめない。だって楽しいから。コスパよく自分になれるほうがいいのだから。その楽しいばかりを優先するから、孤独を味わう。孤独を突き詰めろ、という言葉が、岡本太郎の名言にあったような気がした。